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あえて磨かないという選択。日本初の玄米酒が誕生

更新日:8月27日

創業安政元年から日本酒一筋、黄金色に輝く「金亀」を醸す岡村本家。滋賀県豊郷町で伝統と革新の日本酒造りを行っています。

日本酒の指標の一つとして米の削り度合いを示す「精米歩合」という言葉があります。米磨きの割合に応じて、高精米の20‐50%は純米大吟醸酒・60%は純米吟醸・低精米70‐100%は純米酒に分類されます。岡村本家の最大の特徴は、そういった精米歩合の違いによる多様な商品にあります。

更に6代目当主の岡村博之社長が日本で初めて、精米歩合100%=玄米での日本酒としての醸造に成功しました。数年寝かせた熟成酒のような味わいと穀物の豊かで芳醇な香りを楽しめます。


Q.どうして誰も挑戦したことがなかった、玄米を使用したお酒に挑戦されたのですか? 2009年に父からバトンを受け継いだ時、過去に低精米の精米歩合80%のお酒が売れていたことがあると聞きました。現代はしっかり磨いた綺麗な酒が主流ですが、米の旨味を実証したいと思いました。 海に近い県は魚に合う辛口の酒が好まれます。一方で、滋賀県のように海のない県は甘口の酒が造られてきた。私たちも濃醇甘口旨味の酒造りを続けてきたので、先代からの想いは変えずに手法だけを革新しようと決意しました。

Q.玄米酒「長寿金亀 赤」完成の道のりはどうでしたか?

いやー、試行錯誤の連続でした。玄米は皮付きの米なので、米を発酵させてくれる麹菌が働いてくれるのか未知の領域でした。誰もやったことがない玄米の酒造りを開始しましたが、最初は失敗続きでしたね。 一般的に完成後、酒になる清酒が8割・酒粕が2割、大吟醸でも清酒が5割・酒粕が5割出来ます。1回目の玄米酒は清酒が1割だけ酒粕が9割も出来ました。味は醤油とワインと梅酒を混ぜたような味でしたね。 販売は出来ないけれど飲めるお酒が出来たので、口当たりが甘くて喉ごしが綺麗な酒造りに益々気合が入りました。麹菌や手法の改良をして、ついに清酒5割・酒粕5割の玄米酒にたどり着きました。 玄米の香りが感じられるとお客さんにも好評で、精米歩合100%のお酒を造ったのだから、次は玄米の皮を増やして精米歩合120%のお酒を造ってよ、なんて言われています。

Q.最大の鍵は、米の美味しさですね。現在使用されている米はどんなものですか?

滋賀県産の米を使用しています。酒米山田錦の母は滋賀県産なんですよ。また、吟吹雪や玉栄という有名な銘柄もあります。「長寿金亀 白80」では食用米のニホンバレを使います。発酵しやすく鮒ずしや京都の寿司屋でもシャリに使う米です。 コロナの影響もあり、米農家さんから入荷量は減らしても良いと提案を貰いましたが、農家さんがいるから酒造りが出来るので米の量は減らす選択はしませんでした。

Q.玄米酒も含む、様々な精米歩合の酒を最大9種類楽しむことが出来る飲み比べ日本酒セットが好評となりました(クラウドファンディング達成)


新しいことを挑戦しようとする若い社員達の発案がきっかけです。少しでも多くの方に岡村本家を知って頂こうとプロジェクトを始めました。ラベルにある20から90の数字は、精米歩合を表し、それぞれに味わいが全く異なります。 30年前は9割以上の人が家庭でも一升瓶を置いていました。今はそんな家庭は少ないですよね、酒店で並ぶ一般的な720ml瓶でも多いと感じてしまう方もいらっしゃると思います。そこで、沢山の方に商品を飲んでもらえるように、思い切って100mlサイズで販売することにしました。フランスで活躍されていたデザイナーさんと相談し日本酒とは想像できないインパクトのあるデザインにしました。 最近は喉越し良く甘酸っぱい酒が好まれる傾向にありますが、だからこそ金亀のような飲んでいるうちに旨みが広がる酒の存在感が際立ちます。夏は茄子田楽やガツンと焼肉と合わせてスタミナを付けて乗り切りましょう。



1枚ずつ袋に入れて搾る「木艚袋搾り(きぶねふくろしぼり)」を行っています。効率の悪い重労働な反面、お酒に優しく搾りすぎないため、雑味の少ない酒粕を多く含むお酒を醸す事が可能となります

【基本情報】 株式会社岡村本家 URL https://kin-kame.co.jp/

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