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発酵菌が美味しさをつくり出す“次世代漬物”とは/10% I am

10% I am(テンパーセントアイアム)は2019年6月から販売を開始した新しい発酵食品ブランド。「発酵菌と仲良く暮らす」をコンセプトに、素材がもつ天然の成分を発酵菌(乳酸菌、麹菌等の発酵を促進する菌類や酵母)によって分解して旨味を作り出す等、化学調味料に頼らない味作りに拘っています。ビワマスの塩麹漬け/鯖の醸しリエット/奈良漬とチーズとケールが入った「ビワマスの塩麹漬け入りお酒に合うセット」では程よい塩味と熟成された魚の旨味や甘みが存分に感じられ、瓶の底まですくって食べたい美味しさ。サンドイッチにはさんだり、アレンジできるのも楽しいですね。 “次世代漬物”として新しい発酵文化を模索している、代表の平井俊旭さんにお話をお伺いしました。


Q.滋賀県高島市で事業を始めようと思った経緯を教えて下さい

以前、食を扱うブランドでグラフィックや店舗テザイン等に携わっていました。食材の安全基準のためのトレースの重要性を強く感じていました。また、店舗づくりに国産の木材を使うために木材の産地を訪ね北海道から沖縄まで色々な地域を見て回っている中で、地方には沢山魅力があるけれどディレクションする人がいない事に気づき自分でなにか出来ないかと考え始めました。地域で足りていない部分を自分の経験を通して、少しでも補っていけたら良いと思いました。また、もし自分が関わるのであれば東京から遠隔でやるよりもその地域に入り込む方が結果が出やすいと思いました。そんな中、高島市で市の林業の六次化のコンサルティングをされている方と知り合い、高島市を訪れてみました。京都や大阪へのアクセスが良く豊かな自然が残り魅力が沢山有るのにそれらを上手く伝えられていないという印象があり、初めて地域に入って事業をするのに良い場所なのではないかと感じました。結局初めて高島市を訪れてから半年後に地域でブランディングを行う雨上(あめあがる)株式會社会社を設立し、10カ月後に高島市に会社を移し移住しました。

Q.当初から高島市の食材の可能性を感じていましたか?

高島市に会社を移してから市が公募した「地域を魅力化するディレクター」を募ったコンペを取ることができたので、自分自信が関心もあり経験もある食をテーマとして地域の魅力を伝えるプロジェクトを実施しました。外から来た自分が新鮮な視点で見ると高島市には沢山魅力的な食材や調理方法が有るのに、現地の人にとっては日常のことなのでそれを特別なことだという印象を持っていないようでした。外部の方に魅力を知ってもらうのはもちろん、まずは地元の方に地元の魅力を知って貰う必要があると始めたのが「高島の食と人 –3つの◯◯−」というウェブサイト。高島のライフスタイルを高島の人が紹介しています。 特に高島市の魅力として注目したのが発酵文化。発酵の知恵や技術を現代の食卓に乗る身近な料理に活用したいと取り組んでいる中、高島市朽木地区で本格キムチを製造する株式会社班家食品(ばんがしょくひん)からこれまで工場で作って来なかった新しい発酵食品開発にあたって、ブランド作りの依頼があり、結局共同出資で2019年に株式会社共立(ともだち)を設立しました。

Q.「10% I am」の名前の由来を教えて下さい

10% Human(和訳:あなたの体は9割が細菌)という進化生物学者が書いた本を読んだ事がきっかけです。マレーシアでダニに噛まれた際に熱帯病に感染してしまい、大量の抗生物質を投与し完治した後も慢性不良になった著者が、原因を探る中で人間の身体に住む細菌は自分の細胞の10倍である事、つまり人:細菌=1:9であり“菌との共生”だと知った事が由来となっています。

Q.どの様な商品なのでしょうか?

「発酵菌と仲良く暮らす」をコンセプトにした漬物です。 漬物の解釈を変えれば色んな可能性があると考え、「漬けておいしくするもの」と定義し直し「現代の食卓に求められる発酵を応用した食品」としてご提案しています。化学調味料ではなく発酵による旨味を大切にしています。


Q.食材はどのように選んでいますか?

なるべく高島市の物を使用したいという気持ちはありますが、食材に拘りすぎると手の出ない価格になってしまったり数量が採れずレアな物になってしまうので、安全かどうかを最重要視しています。 また市販の漬物は化学調味料や着色料や保存料を使用しているものが常態化してしまっており、本来の発酵のプロセスを経ないものが非常に多いのが実情です。可能な限り漬け置く段階から自社で製造で行っており、例えば原料として使用している奈良漬けはもともと大津の有名な漬物屋さんの化学調味料や着色料や保存料を使用しないものを使用していたのですが現在は自社漬けに移行、へしこも自社製造しています。

Q.おつまみからご飯のお供など商品のラインナップが幅広いのが魅力ですね

基本的にギフト需要を想定していて、食卓やホームパーティーで並んだ時を考えて作られています。 横断的に商品を作っているので知らない方から見ると何のブランドか分かりづらい様で、見た目からスイーツと間違われる事もあります。現在は食べられ方から商品を開発し、シリーズ化していきたいと考えています。 現在京都府丹後の酒蔵の酒粕を使ったバター等、パンに合うシリーズの開発や、他にもご飯に合うシリーズを充実させる等食べるシーンを明確に想定し、ギフトとしてご提案したいと考えています。 またデイリーユース用としてはサブブランド「10%I am and You」を立ち上げ予定です。新しい漬け物のカテゴリー等、よりお求めしやすい商品の開発を進めています。

Q.どれも美味しそうですね!ありそうでなかった商品のアイディアはどのように生まれるのですか?

工場の開発担当がいつもユニークな提案をして下さるので、いろいろな商品が開発ミーティングの試作として上がって来ます。自分としては、今の市場に位置付ける事が難しいこれらのカテゴリーの商品のオリジナリティーや魅力をどのように伝えるかということを考えています。


食事シーンが楽しくなるような商品を展開している「10% I am」。 次世代漬物として新たな文化を築き、漬物らしくない宝石箱のような見た目にプレゼントとして贈る側もうれしくなりますね。公式HPのブログにはお洒落なアレンジレシピが掲載されているのでご覧になってみてください。 食卓に添えるだけで華やかになる漬物、今晩からいかがでしょうか?


【基本情報】

10% I am

URL https://10iam.shop/


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