納豆嫌いの4代目が築く京都の納豆文化/藤原食品




皆さん、京都の納豆は食べたことがありますか?

大正14年(1925年)から京都で納豆を作り続けてきた「藤原食品」の納豆は、豆の食感"豆らしさ”が感じられ、この1パックだけで主役のおかずになりうる豆の底力を感じる納豆です。これまで食べてきた納豆の概念が覆されました。種類は全8種類。京ブランド認定商品で「大粒 京納豆」、「鴨川納豆」といった定番から「京納豆 赤大豆」など、納豆ではあまり目にすることのない豆を使用した商品も。「納豆ってそんなに種類があるの!?」とその奥深さに驚きます!

特におすすめは青大豆と赤大豆を使った「大粒 京納豆」。納豆好きな人はもちろん、納豆嫌いな方にぜひ食べてほしい一品です。程よいねばり気と豆のうまみが合わさって、豆の食感をダイレクトに感じられて嫌な臭さがなく、口の中の余韻を楽しみたくなります。ご飯がなくても満足できること間違いなし。

新たな納豆文化を築く4代目の藤原和也さん。実は納豆が大嫌いだったそう。嫌いだったからこそより美味しいものを作り出せるのかもしれません。独自の納豆文化を発信してきた思いについてお伺いしました。


Q.関西は納豆を食べない人が多く、主流ではないと思うので京都に専門店があることに驚きました。


もともと京都の人は食べていたんですよ。千利休の茶会でも納豆汁が出ていて、江戸時代まで納豆の食べ方は汁にいれるものだったんです。農家さんが収穫した豆を納豆にして食べたのが起源と言われていますが、都市化が進むに連れて作るのが面倒になって食べる人がいなくなったと言われています。


Q.家業を継ごうと思ったきっかけを教えて下さい


もともと東京の飲食店で7年ほど働いていた時に、実家の納豆を配ったら料理人たちが「これはめちゃくちゃ美味い」と褒めてくれて。それまで家業を継ぐことにあまり興味が持てなかったんですが、失くしてはならないものを作っていたんだと気付かされました。


Q.いざ継ぐことになって、新たに始めたことはありますか?


何もしなかったです。始めの3年間は納豆について学ぶためにもくもくと製造していました。これまで作り上げてきた文化があったので、パッケージもあえて昔のまま変えることはなかったですね。京都の飲食店を色々と回って、名刺代わりに納豆を持ち歩いていました。カフェでもアルバイトをしていて、外で働いた視点を納豆作りに活かしたりもしましたね。大豆農家さんには当初から訪れていて、いい豆を求めて研究していました。たれで違いを出した商品はスーパーでもよく見かけると思うんですけど、豆を活かす納豆屋ってありそうでないと思うんです。せっかく農家さんが色々な種類の豆を作っているんだから豆の味が分かる納豆を売りたいという思いがありました。


Q納豆作りの難しい点はどこですか?


糸がなかなか引かなくて、浸漬の時間調整が難しかったですね。納豆作りは豆、炊く時間など大差ないのにメーカーによって味が全然違うのが面白いです。ひきわりと大粒でも発酵させる時間が異なるので、ちょうど良い糸引き具合になるよう試行錯誤していました。納豆って実は出来たては美味しくないんですよ。少し寝かせた方が旨味が出てくるんです。


Q京納豆はどんな良さがありますか?


豆の味だと思っています。基本うちは大粒で作っています。昔の納豆は大粒で出来ていて、ご飯と一緒に食べるものではなく、おかずの一品として主役だったんです。だから豆の違いを感じて食べてほしいです。タレをたくさんかけるのではなく、まずは納豆のみを食べてみてほしいです。いい豆を作っている農家さんから直接仕入れており、収穫を手伝っていたり豆にはこだわっています。北関東でしか採れない「さとういらず」という品種は砂糖がいらないほど甘い豆で、納豆にしてもすごく美味しいです。そういった全国の美味しい豆を季節ごとに納豆にして紹介できたらなと思います。


Q.「鴨川納豆」の由来は?


昔はスーパーで安売りしていたんですよ。京都の人に身近な”鴨川”を名前に付けて、手に取ってもらいやすくするという思いを込めて父が命名しました。パッケージも父が全て考えました。なんせ手に取ってもらわないと意味がない。納豆は安いものをパッとかごに入れてしまいがちな商品なので、どうしたら目に止めてもらえるか考え、食品ではあまり使わない青にしたみたいです。


Q.ご家庭でおすすめの楽しみ方は?


お漬物と合わせるのが良いですね。例えば京都だったら「壬生菜」の漬物やかつお節と合わせて食べるのがおすすめです。旨味が合わさって相性ばっちりです。あとは豆の味を感じてほしいので、塩とごま油のみで食べるのもおすすめです。あとはスパイス系、チーズなんかもおすすめです。納豆って色々な食べ方ができるのでそれぞれ好みを見つけて食べられるのがいいところですね。あとはおつまみとしてもおすすめです。もともと日本酒って“米”なので納豆と相性がいいんですよ。酒蔵さんでもうちの納豆を仕込み時期が終わったらお送りしている蔵もあります。



Q.お客さんの反応はどうですか?


最近では京都のホステル「Len」で朝食を出したり大垣書店さんでも納豆を置かせていただいたりしているので、若い人にも少しずつ認知されてきました。スーパーだけでなく色々な所に置くことで目を引き、京納豆を食べるきっかけになればいいと思います。


Q.これから挑戦したいことはありますか?


頼みやすい納豆屋さんであることですかね。いま量り売りで食材を販売している「ZERO WASTE KYOTO」さんとコラボしてパックのいらない納豆弁当を販売しています。納豆のパックって洗っても臭いがついて再利用しにくいでしょう?食べ終わったら、お店に弁当箱を持ってきてもらって新しく納豆を詰めるという仕組みです。他にも河原町五条のホステル「Len」では市場で余って行き場を失った野菜を使って朝食を出していたりしています。また「N.N Bean(ネバネバビーン)」というアパレルとコラボして、パーカーやTシャツなどの販売も。みんなに着てもらって町中で宣伝してもらえたら嬉しいですね。納豆を通して色々な活動ができればと思っています。



子供から大人までみんなに愛される納豆を作る藤原食品。「人にあげたいから全種類ください!」と訪れるお客さんも。プレゼントやお土産にもおすすめの納豆です。ご飯のお供に、お酒のお供に今晩いただいてみてはいかがでしょうか。掻き込むのではなくじっくり味わって楽しむ新たな納豆の世界が広がりそうです。



【基本情報】

藤原食品

住所:京都府京都市北区鞍馬口通烏丸西入小山町225



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