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米・水・杜氏すべて静岡で統一。人と人の繋がりの場を生み出す/花の舞酒造


静岡県にある花の舞酒造の創業は元治元年、社名は天竜川水系に古来より伝わる奉納踊り「花の舞」に由来しています。今でも近くの庚申寺で開催される祭事で年に一度、お酒を奉納しています。静岡最大の生産量を誇り長らく地元で愛されてきましたが、近年は静岡県産の果実を使った低アルコールの微発泡酒や、ワインの酵母で仕込んだ日本酒など、新機軸の商品開発を進めています。革新的な商品開発を進める製造部の山口晃さんにお話を伺いました。

Q.花の舞酒造の特徴について教えて下さい


静岡を代表する酒造として地酒としての価値を追求した末に静岡県産米を100%使用した酒造りに辿り着きました。

酒米の王様とされる「山田錦」の主な生産地は兵庫県ですが、静岡県西部地域の気候風土が山田錦の栽培適地であることが確認され、30年ほど前、花の舞酒造の呼びかけで『兵庫県産に負けないものを作ろう!』と、地元の米農家が仲間を募り、「静岡山田錦研究会」が発足。肥料や水の与え方等試行錯誤の末、兵庫県産の山田錦に比べより花の舞酒造のお酒に合うお米が出来上がりました。

他の原料米や酒造りに使用する事がある果物や乳製品も静岡県産、造り手も静岡出身と静岡産を徹底しています。

お酒造りに重要な仕込み水は南アルプスからの伏流水、同じ水で原材料となる食材も育っている為馴染みが良いです。そうして出来るお酒は淡麗、でも辛すぎず甘すぎず、なめらかで飲みやすく香りが穏やかで食中酒に最適、海の幸山の幸がある静岡の食材にもピッタリです。


Q.ここ2-3年で受賞が増えてきていますね、何か特別な取り組みがあるのでしょうか。


今まではトップダウンな部分がありましたが、社内全体で提案しやすい雰囲気、各自が率先して新しいことに取り組む姿勢が出来てきました。月に一回企画会議があり、造り手だけでなく卸し担当の営業、商品部等の各部門、社長も交えて意見交換をしています。お酒のカテゴリとしても地元の方に長らく愛されてきた定番の酒と、「革新酒」と言って、これからの時代に切り込んでいく分野の酒を作っています。

今まで花の舞のお酒は静岡の定番酒という立ち位置でしたが、最近は女性や若い方、日本酒に馴染みが無い方にも手にとって貰える機会を増やしたいと革新酒にも力を入れており、飲みやすくて特色のある日本酒が増えてきました。


Q.具体的にはどの様な物がありますか


2007年から「ぷちしゅわ ちょびっと乾杯」を発売しています。 

発売当初は日本酒スパークリング自体の認知度が低く伸び悩みましたが、徐々に人気が出てきています。特に柚子は国内外で人気の商品です。

また、数年掛けて何度もデータを取りながら最適なガス圧を見つける為に試行錯誤を繰り返し、ガス感を増す事に成功、より発泡を感じられて美味しくなりました。その成果もあり、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2021【The Fine SAKE Award, Japan】のスパークリングSAKE部門において最高金賞を受賞、更に人気が出ています。


また、「洋食に合う日本酒」を目指しワイン酵母で造られた「Abysse(アビス)」も数年前に誕生、開発に3年を費やし試行錯誤の末、フランスのブルゴーニュ地方のシャブリの白ワイン酵母に辿り着き、日本酒xワインと言うハイブリッドで他にはない全く新しいジャンルの商品となりました。9月にはシリーズ品としてスパークリングも販売予定です。会社の新しいブランドとして大切に育てていきたいと考えています。


Q.革新酒はどの様な所から着想を得ているのでしょうか。

日本酒に限らず、ワインやウイスキー等色々なお酒の情報をチェックしています。

また実際に飲食店にあるお酒を一通り飲んでみたり、ワイン醸造にお邪魔したりと色々な所からインプットしています。

以前は大量生産が主軸となっていましたが、現在は質の良いものを届けようと品質管理徹底の方向にシフトしました。それぞれの商品が一番ベストな状態でお客様にお届けしたいと考えています。

ラベルも以前は商品名が書いてある程度でしたが、最近はより商品の特徴を表すようなデザインにしたりと表現の仕方を変えています。例えば夏季限定酒の純米吟醸は辛口の原酒、花火大会でスターマインが華々しく、そして色が移り変わる様な様々な味わいを持つお酒の為、「スターマイン」と命名しボトルデザインも色とりどりな花火があしらわれています。

Q.ラベルのお話が出ましたが、「どこでも鏡開き HACO樽」は面白い発想の商品ですね。


これまでは結構宴席で菰樽をお求めいただくことが多かったのですが、今はそういう場を設けることが難しいので、どこかでお祝いムードを演出出来ればとパッケージ屋さんの協力のもと誕生した商品です。手軽に好きな場所で、家族や少人数での集まりに卓上で鏡開きを楽しんで頂ければと思います。 


お酒をきっかけに普段喋りにくい上司と打ち解けられたり、人の繋がりをより強く感じられたりといった経験がある方が多いのではないでしょうか。「和醸良酒」は造り手の立場の言葉だけでなく和の心をもって美味しいお酒をいただく、飲み手にも通じる言葉かもしれません。


【基本情報】

花の舞酒造

URL:https://hananomai.co.jp/

9月に花の舞初の直営ネットショップがオープン!ここでしか手に入らない原酒セットを

数量限定で発売する予定

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