滋賀県蒲生郡日野町「農業公園ブルーメの丘」内に醸造所を構える『HINO BREWING(ヒノブルーイング)』は、「祭のためのクラフトビール」を造る異色のブルワリー。
近江商人発祥地のひとつである日野町で、850年の歴史を持つ日野祭を発端に全国の祭を盛り上げるために、地域の祭の特徴やその土地の食材に合うビールなども開発しています。
代表の田中宏明さんは、30歳を期に地元に戻り家業である酒屋を手伝いつつ自分に出来ることを模索する中、氏子として参加していた「日野祭」が人手不足や財政難、若者離れといった課題を抱えていることを知ります。
祭では豊作祈願に地元で醸したお酒を神様にお供えし、その恩恵を地域の人たちと分かち合うもの。若者に受け入れやすいビールを販売したら更に盛り上がるのではないか、と「祭のためのクラフトビール」造りに向けて動き出しました。
日野祭で神輿を担ぐかけ声「ヤレヤレドントヤレ」から命名し、熱い祭の最中に飲みやすい、軽く仕上げた「ドントヤレIPA」、神輿を担いだ後にゴクゴク飲める喉越しの「ヤレヤレエール」、ネーミングも味わいも祭りにちなんだ個性的なビールを次々と開発していきます。名前からも祭の楽しそうな雰囲気が伝わってきます。マスコットキャラクターである“ヒノシシ”は日野綿向神社で、神の遣いとして信仰されているイノシシをモチーフにしているそう。
またラベルのQRコードからそれぞれの祭の動画や豆知識のページにアクセスできる仕掛けになっています。祭を知らなかった人もビールを通してその場で祭について知ることが出来、祭の期間でなくても飲みながら祭に参加しているような気分になれます。
ビールを通して祭を応援することで、地域文化の継承とコミュニティ形成の潤滑油になるのではと全国様々な祭とタイアップ、その土地の食材を使ったビールを製造し、祭のPR活動等もサポート、祭や地域に貢献するための手段としてクラフトビールを作っています。
「美味しい商品を作るのは当たり前、僕たちのビールを通して何を感じられるか、祭に関わる人達、皆さんに納得してもらうような、誇れるビールを作りたい」と実際に祭に参加し雰囲気や運営の様子を体感する事を大切にしており、関わる人全員が納得のいくビールを作るために1年以上の期間をかけて開発。
滋賀県の江州音頭のオリジナルビール「江州音頭麦酒 ドッコイサワーエール」は2020年夏に発売開始となり、滋賀県内のローソンでも販売されました。シロップを入れて飲む「ベルリナヴァイセ」をベースにかき氷のシロップをイメージした祭らしさのある一杯です。酸味が効いていてアルコール度数低めのライトな仕上げなので暑い夏の夕涼み刻、江州音頭で乾いた喉と体を癒してくれます。味覚は思い出の重要な要素。この味と共に祭の楽しい
人と人が集う場を盛り上げ、後世に日本の伝統文化「祭」を伝えているHINO BREWINGのビールを飲んで祭を盛り上げましょう!
【基本情報】
HINO BREWING 株式会社
所在地 滋賀県蒲生郡日野町大窪730
Comments