滋賀県ならではの“モノ”や“コト”をお菓子に込めて、地産地消をコンセプトに滋賀の魅力を発信している「工房しゅしゅ」。
店名の「しゅしゅ」は、フランス語で“お気に入り”という意味と日本語の“酒酒”を掛け合わせて名付けられました。あなただけのお気に入りの味を見つけてほしいと想いが込められています。
一番人気商品の「湖のくに生チーズケーキ」は6つの酒蔵の酒粕を使用しており、利き酒ならぬ利き酒粕を楽しめる商品です。甘さ控えめでマイルドなチーズに日本酒の風味がふわっと香ってきます。コクがあり濃醇な酒粕の味わいが口いっぱいに広がり、心地良い後味が特徴のチーズケーキ。
今回はチーズケーキの開発に携わった製造責任者の奥田美咲さんにお話を伺いました。
Q どういった経緯で創業されましたか?
私達は社会福祉法人 あゆみ福祉会が母体でして、福祉作業所で働く利用者の仕事作りの為に立ち上がりました。滋賀は水質が良いこともあり、酒蔵が沢山あることが分かりました。せっかくなら自然豊かな滋賀県の素材を使った商品を販売したいと思い、レアチーズケーキに酒粕を混ぜて販売することにしました。
Q なぜ酒粕スイーツを作り始めましたか?
地元で「喜楽長」を醸す喜多酒造さんにお話を伺った際、「僕らは日本酒を沢山作るけど、日本酒を作る時に出る酒粕は捨ててしまっているんだ。これを活かして何か商品が出来たら面白いよね」ときっかけを頂きました。
障がい者は健常者に比べたら、作業スピードが遅かったり出来ないことも多いです。でも、サポートさえあれば皆頑張ってお仕事出来るんですよ。それと同じで、栄養があるのに捨てられている酒粕はとても勿体ないですよね。酒粕と障がい者のイメージにシンパシーを感じて酒粕スイーツを作り始めました。
Q 「湖のくに生チーズケーキ」は観光庁主宰『究極のお土産』9品に選ばれていますが、美味しさの秘訣はなんですか?
①フレッシュな酒粕
酒粕は生き物なので酵母菌や麹菌が生き続けられる生菓子であることが一番の秘訣です。
たまたま冷蔵庫で放置していたケーキを食べたら美味しくなっていて、熟成を楽しんでもらおうと夏場は10日、冬場は14日保存出来るようになっています。
出来立てのチーズケーキはもちろん美味しいですが、長期保存すればするほどチーズと酒粕が合わさってマイルドな味になります。お酒の味が生きてくるのでお酒が好きな人におすすめです。
②6種類の酒粕
酒蔵さんにおすすめしてもらった酒粕を使用しています。滋賀県の酒巡りを1周出来るよう、各地域から選定し合計6蔵の酒蔵さんの酒粕を使用しています。
酒粕も清酒のように蔵元の個性が出て、酒粕を変えるだけでチーズケーキの味が大きく変わるんですよ。数か月に一回は水分を調整して、酒粕の風味を際立たせるようにしています。
「浪乃音」や「七本鎗」はこってりした濃醇な味わいで、「萩乃露」は日本酒よりもラム酒のような洋酒に近い風味なので、一般的なチーズケーキに近く食べやすい味わいです。日本酒が苦手な人でも食べやすい味にしています。
③お猪口
6種類の酒粕をきき酒ならぬ、きき酒粕を楽しんでほしくて、お猪口にチーズケーキを入れてみました。少しずつ色々な味を楽しんでほしいなと思い小さくしています。器に入れると品があり手土産に喜んでいただけて好評です。
好きな酒粕の味を見つけたり、色々な日付で食べて好みの発酵具合を見つけたり、自分のお気に入りの味を見つけてくれたら嬉しいですね。
Q チーズケーキ以外の菓子はどのように生まれていますか?
滋賀県の食材の知名度を上げるためにも眠ってしまいがちな材料を使うことを大切にしていますね。酒粕以外にも、なかなか使用方法が少ない丁字麩を使って「おふらすく」や「麩菓子」も販売しています。男性にも食べやすいスイーツになるように創業当時から工夫しています。
こうした珍しいスイーツを日本全国の人達が食べて下さって、滋賀県ってどんな所なんだろう?このスイーツに使われている滋賀県産のお酒を調べてみようかな?と少しでも滋賀県を知ってもらい、訪れるきっかけになってほしいと願っています。
ひとつひとつ想いをこめて作られた工房しゅしゅのスイーツ。やさしい味わいと滋賀の恵みが身体に染みわたります。滋賀の酒蔵の魅力を閉じ込めたチーズケーキで「利き酒粕」を楽しんでみてはいかがでしょうか?
【基本情報】
工房しゅしゅ
URL http://chou-chou11.com/
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