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2021年誕生!自由な醸造スタイルで生み出す新しいサケの輪/LIBROM

更新日:4月26日

福岡県でエディブルフラワーやフルーツを加えた独自のクラフトサケを製造する「L I B R O M Craft Sake Brewery」

300Lサイズのタンクを3基備えた小さな醸造所では、福岡県産にこだわった原料から生まれる、丁寧な仕込みの酒が日夜生み出されています。香りがふわっと口の中に広がり、花開くような余韻は食事に彩りを添えてくれます。「海外で何か始めたい」という所からスタートした異色の醸造所。代表であり、蔵人でもある柳生光人さんにお話をお伺いしました。



Q.酒造りに興味を持ったきっかけについて教えてください。


大学2年生の時に語学留学に行き、そこで「日本人として日本の文化を発信したい」「自分の力で何かやりたい」という気持ちが芽生え、海外で仕事がしたいと思う様になりました。

イタリアへは幼少期からしていたサッカーがきっかけで何度か訪れていたのですが、ヨーロッパ随一の米どころである事を知り、日本の伝統文化である日本酒を、イタリアでイタリアのお米を使って造れたら面白いと思いました。

実はそれまで日本酒はあまり良いイメージが無く、お酒自体も弱かったので「イタリアで何かしたい」という想いからスタートしました。



Q.イタリアでは無く福岡で醸造を開始されたのは何故ですか。


中学の同級生でもあるパートナーの穴見もサッカーをしており、ドイツで3年間プロを目指して頑張っていたのですが、断念し日本に帰ってきました。その際「イタリアで日本酒造りをする」という夢を話したら彼も一緒に目指してくれる事になり、それぞれ別の酒蔵で修行させてもらいました。

4年後位に一緒にイタリアに行こうと話をしていた所、コロナが、、

「今はイタリアに行くタイミングじゃない、一度地元福岡で酒造りをして基盤を作ろう」と、一昨年から醸造を開始しました。


Q.日本での製造への転換。大変だった事はありますか。


日本だと「清酒製造免許」を取得するのは非常に難しく、「その他醸造酒」の免許を取得する事になったのですが、それでもなかなか難しく1年以上かけて取得しました。大学卒業後現場で過ごしてきたので、慣れない書類作りや数字の面で苦労しましたね。

実際に製造を開始してからは、それまで日本酒造りだけをしてきたので、他の材料を使用する事が初めての挑戦。エディブルフラワーやフルーツを使用するにあたって、添加量、花の野生酵母の影響等への不安、使用したことの無い機械の扱いに戸惑ったり小規模であるリスクを感じたり。

麹造りは麹室が小さく物量が少ないので、温度が全然上がらず、クラウドファウンディングで始めた初回製造の2日間は寝れませんでした。

今までは杜氏の元で与えられた仕事をしていたのが、自分主体で動くのが初めての経験で、全て一からの作業、試行錯誤の日々でした。


Q.副原料にエディブルフラワーやフルーツを使用したのはなぜですか。


副原料を入れるとは言え、「日本酒の味わいを残す」ことをコンセプトにしています。

良い意味で個性が出過ぎないエディブルフラワーを使用する事にしました。

ただ、配合が少なすぎてはただの日本酒になってしまうので添加量を調整し、花の香りがしつつも日本酒感が残る配合にしました。また福岡はフルーツの名産品が多いので使用しています。フルーツも入れすぎず、日本酒の香りは残す様にしています。

米、米麹、水の3種類の原料から造る日本酒に比べ、副原料によって個性が生まれ、味の幅が自由に広げられます。今は「その他醸造酒」に無限の可能性を感じていますし、作っていても楽しいですね。思ったより副原料と喧嘩せず日本酒の味を残せているのも魅力です。


Q.今後イタリア米を使用した酒造りも予定していますか。


ちょうど今、8種類位取り寄せたイタリア米で吸水実験をしています。ジャポニカ米に比べて長細いので水分を吸いにくい特徴があるので、どの米が最適か検討しています。今年からイタリア米で日本酒造りを開始する予定です。


Q.ボトルデザインも日本酒というよりはジン等に近いイメージですね。


日本酒っぽさを敢えて無くしています。自分自身あまりお酒を飲めず、特に日本酒は飲まず嫌いで苦手なイメージがあったのですが、この業界に入って本当に美味しいお酒は沢山ある事を知りイメージががらりと変わりました。自分の様に思っている方にも飲んでみて欲しい、まずは手に取ってもらえる事が大事だと考え、若い方や女性でも手に取りやすい様なデザインにしました。サイズも一人暮らしの方が買いやすく、冷蔵庫に入るサイズにしています。


Q.今後も新作を出し続けていきますか。


昨年は初めての試みということもあり、購入者の方の反応や売れ行きを見つつ、季節のお花を使用し常に新しいお酒を製造してきました。今後は定番化するものを見定めつつ、毎年新しい商品を何種類か出していきたいです。ただ、今のところ全種類個性があって気に入っているので、どれを定番にするか悩んでいます。笑


Q.特に人気のお酒は何でしたか。


一番人気があったのはマリゴールドで、直ぐに完売しました。マリーゴールドの香りはイメージしにくいと思うのですが、飲んでみると日本酒には絶対に無い香りがあるので、「あ、これがマリーゴールドの香りなんだ」と感じていただけます。あとはレモンのお酒も人気でした。



Q.いよいよイタリアで醸造開始する際には副原料を使用したお酒造りもされる予定ですか。


そうですね。日本酒の製造もしたいですが、副原料を使用したお酒は洋食に合うものが多いので、現地でも日本での実績を活かしていきたいと思っています。


まだまだ日本酒の認知度が低く市場が無いイタリア、逆にそれを「伸び代がある」と捉え、日本酒の魅力をイタリアで発信していきたいという柳生さん。免許の取得やコロナ禍等の逆境に負けず、臨機応変に対応してきた彼らなら、その夢の実現も遠い先ではなさそうです。

醸造所併設のSakePubでは製造風景をガラス越しにながめながら、料理とのマリアージュを楽しめます。食と組み合わせることで更に引き出されるクラフトサケの魅力を存分に味わってみては。


【基本情報】

株式会社LIBROM

URL:https://librom.jp/


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