コンセプトは「分かりやすい美味しさ」/MARCAのクラフトビール



大阪メトロ・西長堀駅2番出口から徒歩3分と、街なかの便利な場所にある『MARCA BREWING』は、2015年に醸造開始した大阪初となるブリューパブです。
美大出身で元大手国産車メーカーのカーデザイナーという異色の経歴を持つオーナー兼ヘッドブルワーの神谷みずきさん。パーツごとに工程を細分化して組み立てていくような工業生産とは全く異なり、一から十まで自由にできる「自己完結型のものづくり」がしたいと、好きで飲んでいたクラフトビールを追求。醸造を手掛けるようになりました。
当時はまだ日本国内でクラフトビール造りのノウハウは少なく、他の醸造所の話を聞きながら技術を研究し、設備も自ら設計・発注したりと経費を抑えつつ、一つ一つ準備していきました。
造り方を学び、工場を立ち上げるというのは途方もない作業のように感じますが、「車の工場を作るよりよっぽど簡単」と答える神谷さん、さすが物の見方のスケールが違います。
また、「ビールの原材料は一から作る必要も無いし手に入り易い」「技術の古いものは設備もある程度単純なものが多い」という点も自分で作れると思った要素だと言います。
店名の由来は、たまたま目に留まったみかん収穫用のコンテナに丸で囲まれた“カ”の文字から。(読み方は「マルカ」)調べてみると「MARCA」はスペイン語で「ブランド」という意味があることから店名にしたというエピソードも面白いです。
お酒は嗜好品だから余計な説明はいらないという考えから、HPや商品ボトルは極めてシンプル。必要最低限で機能的な良さを伝える、車のデザインに通ずるものを感じます。多くを語ることがないからこそ、何回か通って、呑んで自分で美味しさを確かめていくステップを楽しみたくなります。
そうしたシンプルな考えのもとに生み出されるビールは先進的でありながら独創的。
『COFFEE AMBER』に使用している豆は選出にもこだわっており、和歌山県の焙煎所『THE ROASTERS(ザ・ロースターズ)』よりエチオピアの豆を仕入れています。コーヒーの様なビールの様な、、と思っているうちにぐびぐび飲んでしまうコーヒー好きにも満足の逸品です。
『MAITAKE BRUT IPA』は舞茸のタンパク質分解酵素で麦芽を溶かし、きのこの出汁感が味わえます。
2020年には2号店となる大正店をオープンしました。入居しているTUGBOBAT__TAISHOという複合型施設には様々な飲食店が入っており、隣はラーメン屋さん。MARCAのビールを片手に他の店で呑むことも出来、お客さんと店主の新たな交流の場が生まれています。
飲んだら個性が花開く、MARCA独特の表情豊かな一杯を求めて足を運んでみてはいかがでしょう。
MARCA BREWING
所在地 大阪府大阪市西区北堀江3丁目7−28 1F