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震災から復興。地域の美味しいものを美味しいまま届けたい/山内鮮魚店


3.11の震災で大打撃を受けゼロからの再スタートを余儀なくされるも、それに負けること無くいち早く復興に取り組み、宮城県の美味しい食材を全国に届けるべく邁進している「山内鮮魚店」。 南三陸町の新鮮なイカやホヤを使用した手造りの塩辛は、シンプルな材料でお刺身のような瑞々しさとちょうどいい塩気で、すっと口の中に入り酒がついつい進みます。ほかほかのご飯とも相性抜群! 地元で長く愛されてきた山内鮮魚店を営む株式会社ヤマウチの山内淳平さんに商品へのこだわりや想いをお伺いしました。





Q.「山内鮮魚店」の創業について教えて下さい

祖父の代、昭和24年(今年で創業70年)に鮮魚店として創業しました。当時はリヤカーでの販売スタイル、夏場にはアイスキャンデーを売っている様なお店でした。昭和63年、現社長の代になって法人化し、水産加工品の製造にも着手。南三陸の食材を使う事と無添加にこだわるという会社の方針が生まれました。


Q.水産加工品で無添加は難しいと思いますが、なぜ無添加にこだわられたのでしょうか?

基本としては地元・南三陸町のいいものをそのままお届けしたい、お客様の健康を考え身体にとって余分な物を入れたくないという想いがあります。南三陸町の新鮮な魚介のみ(不漁の時は宮城県産の他の港から仕入れる)を使用し、添加物を加えず塩分控えめ、魚介の旨味を活かした商品づくりをしています。 地元の酒蔵の純米酒を原材料に使っているのですが、酒蔵さんからもアミノ酸系の調味料を使うと日本酒の風味に影響が出るから使わない方が良いとのアドバイスを頂き、会社の考えは間違ってないんだなと改めて感じました。どうしても使わなければならない2、3品には添加物を使用していますが、HPに掲載の一般の方向けの商品は全て無添加です。


Q.魚介類を無添加で加工している所は現在でも少ないですが、工夫されている点はありますか?

元々鮮魚店としてスタートしている為、自分たちが市場に行って直接買い付けをしているので、鮮度が良い材料を調達できます。温度管理をして品質を保ちながら加工し、冷凍商品をメインでお届けしています。冷蔵品はパウチにしてから熱殺菌をかけて日持ちさせる様にしています。 三陸産の真イカと天日塩だけで造った無添加の「イカの塩辛」は、焼いた腑をまぜる事で生臭みが抑えられます。また焼く事で出てくる脂が塩味をやわらげまろやかな味わいにしてくれます。


Q震災被害からの復興について聞かせて頂けますか?

工場2つ、店舗が1つ、通販のコールセンター、冷凍庫、アパート(不動産)、社長の自宅など全て壊滅、まさにゼロからの復興でしたが、中学校に避難していた社長は、落ち込む間もなく直ぐに会社の再建を考え出していました。通販のコールセンターが破壊された事で、12万人分近くの顧客データも紛失し、サイトも作り直す必要がありましたが、専務もBlogで発信を開始したりと通信販売の再開準備を進めていました。 実店舗の方も地元に戻ってくる人達の為にお盆前には復活させたいという気持ちがあり、震災前から高台に持っていた土地に仮設の店舗を急ピッチで作りました。




Q.通信販売を20年以上続けるために工夫していることはありますか?

通販は店を1店舗構えるくらいの労力がかかると思っています。大手通販サイト等に掲載している時はスタッフが疲弊してしまいました。 震災後は一からサイトを作り直すにあたって、お客さんとコミュニケーションが取りやすく、自分たちのメッセージも届けやすい自社のサイト1つで運営していく事を決意しました。 震災前からご購入いただいたお客様との直筆メッセージのやりとりがあるのですが、それは今も大切にしている事です。現在はイラストが得意なスタッフがイラストを添えて返しています。 また、HPに掲載している写真は、実はプロの写真家でもある専務が撮っています。作り込みすぎず、「美味しそう!食べたい!」と思えるような写真を使っています。肩ひじ張らずに日常で食べたくなるような親しみの有るサイト作りが出来ていればと思います。


Q.新商品「鯖の冷燻」はどのように誕生したのですか?

スモークサーモンの要領でサバもやってみたら美味しそうと言う意見から誕生しました。サバの臭みを取るためにハーブを使用していますが、ハーブ感が出すぎない様に、あくまで魚介の嫌な部分を無くす程度、素材を最大限に活かせる程度の配合を割り出すのに苦労しました。 一般的には魚に合わないとされていますが、日本人に馴染みがあるという事で桜チップを使用して冷燻しています。冷燻は冷やした煙を当てる為、香りは付くけれど食材に熱を通さずに加工出来るメリットがあり、独特の触感を生み出しています。




Q.今後、目指す姿について教えて下さい

大きい会社ではなく、強い会社にしていきたいと思っています。 売上だけでなく本質の部分、誰かのためになる商品づくりを大切に。その時代に合ったものを作りつつ昔の伝統も守っていき、より良いものを届けたいです。震災のことも商品と紐付けて伝えていきたいですね。 ZOOMを活用したり、よりお客さんと密なコミュニケーションを積極的に取っていきたいとも思っています。そして地域を盛り上げたいと思っている漁師さんと一緒に発信していきたいです。



"商品ではなく「感動」を届けたい”と素材や人に寄り添う「山内鮮魚店」 売上ランキング一位の「急速冷凍の生ほや」は、鮮度が命のほやを水揚げ当日に発送している為、一度食べて苦手と感じた人も美味しいと思う一品。 ご飯にも酒にも合うこだわりの品々を南三陸町の漁港を思い浮かべながら、ご家庭で楽しんでみて下さい。


【基本情報】 山内鮮魚店 URL https://www.yamauchi-f.com/

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