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​神田発祥の造り酒屋が今だから造りたいものとは?/豊島屋グループ


慶長元年(1596年)、神田鎌倉河岸にて創業した東京最古の酒舗の流れを汲む酒屋「豊島屋」は、店内に立ちのみスペースを設けつまみを提供していたことから「居酒屋の元祖」とされています。ひな祭りで飲まれる『白酒』発祥の店でもあり、江戸で流行しました。その長い歴史を見直し、現代人に向けて新たに革新的な酒を発売。

それは、「飲めるみりん」。とろりとした食感で、砂糖を使わず米の旨味を活かしたやさしい甘みが口いっぱいに広がります。『麹のリキュール』としてそのまま飲んでもシロップのように酒と混ぜても楽しめます。

新しい視点で商品を生み出してきた背景や想いを神田豊島屋五代目社長 木村倫太郎氏に伺いました。




Q.創業当時からの経緯を教えて下さい


1596年の創業当時、関東のお酒はあまり美味しくないと言われており、関西から「下り酒」を仕入れるのが主流、豊島屋酒造も清酒を奈良から仕入れて販売していました。下り酒を安く売っていたことから人気が出ました。その後、1935年に造り酒屋の酒蔵として豊島屋酒造株式会社が誕生し、おおもとの母体は「豊島屋本店」に。昭和の時代になって酒販売と不動産業を受け持つ有限会社​神田豊島屋が創業しています。

(※今年発売された新商品は「豊島屋酒造」が製造、「神田豊島屋」がプロデュースしています。)


Q.豊島屋の白酒(しろざけ)について詳しく教えて下さい


白酒の誕生に関しては諸説ありますが、ひな祭りの時に呑むお酒としてオリジナルで造ったのは豊島屋が最初とされています。「一年に一回くらい女性がお酒を呑む日があっても良いのでは」と、女性をイメージした白色、そして女性の祭りであるひな祭りの日に発売しブームとなりました。女性がお酒を呑むきっかけを作ったとも言われています。



Q.白酒の原材料に使用されているみりんも製造されていたのですか?


現在は白酒に使用するみりんも醸造していますが、文献には見当たらないので当時は仕入れていたと思われます。豊島屋酒造が創業してから清酒の他にみりんも造り始めました。



Q.白酒を現代風にアレンジした新商品「Me(ミー)」について、なぜみりんに着目されたのでしょうか?


みりんは調味料として扱われているのに、そこから派生した白酒は飲み物として世の中に出回っている。みりんもそのまま飲んでも美味しいのに……と造り手としては違和感がありました。

また、友人達に「本みりんとみりん風調味料の違い」を聞いてみた所、知らない人のほうが多かったのです。みりん風調味料はあくまでも「みりん風」に人工的に作られた全くの別物。本来のみりんの良さを知ってもらいたいという気持ちがありました。

国税庁が規定している「本みりん」の規格の幅が広いので分かりづらくなっているのですが、「もち米、米麹、焼酎」の3つで造られるのが本来のみりん。近年人気のある甘酒に近い栄養成分が期待でき、現代の女性にお勧めしたいリキュールになりえます。

砂糖が使われているリキュールが多い中、みりんはノンシュガーで低GI値、また酵素も入っているのでお仕事終わりの夜のひとときに“罪悪感なく楽しんで頂ける一杯”として選んでもらいたいと思い開発しました。



Q.今まで製造していたみりんとの違いは?


実は江戸時代の頃は「蜜醂酒」や「蜜醂酎」と呼ばれる高級酒として親しまれていた経緯があり、今まで造っていたみりんも「呑む」事を推奨してはいたのですが、原材料に焼酎では無く醸造アルコール(ブラジル産の糖蜜を原料にした物)を使用していました。今回はお酒として安心して美味しく呑めるみりんを開発すべく、本来のみりんの造り方・原材料を見直し、もち米、本格焼酎、米麹は全て国産を使用、お米が持つ本来の美味しさを引き出し格段にマイルドな仕上がりになりました。

とてもアレンジしやすいので、 炭酸水 + ミント + ライムと合わせてモヒート風や日本酒やウイスキーと合わせるのもお勧めです。



Q.「Me(ミー)」という名前に込めた想いはありますか?

色々な意味を込めています。

・健康や美容を意識して自分自身に焦点をあてる、自分「Me」へのご褒美

・みりんの「み=Me」

・ロゴに使用されている「◯=輪(りん)」、「Me◯=みりん」

一番は“自分自身(Me)を大事にすること”、商品を飲んでリラックスしてもらいたいと想い名付けました。



Q.2種類ありますがどのような違いがありますか?

全国的にも珍しいみりんの「生濾過生原酒」と搾りたてをすぐに瓶詰めした「おりがらみ」の2種類を販売してます。もち米を使用しているのでどちらもとろりとした飲み心地が特徴です。

●生濾過生原酒…とろりとした蜜のようでありながら、透明感のある爽やかな甘味。夏は氷を入れてロックで。あるいは柑橘果汁や炭酸水、ウイスキーと合わせてみてください。

●おりがらみ・・・しぼりたてをすぐに瓶詰めすることにより、米麹のもろみ由来の白いおりが程よく混ざったタイプ。おりがからむことで、まろやかなコクとアルコール感が際立つ。人工的なおり下げ剤を使用しない神田豊島屋だからこそ、生まれた商品。牛乳や豆乳に合わせてみてください。



Qリキュールの良さは何ですか?

最近の若い人は日本酒の一升瓶を飲みきれないという人が多いので、「Me」は同じビンでも様々なアレンジを楽しめるようにしています。コーヒーや日本酒と混ぜてシロップとして使ったり、色々な楽しみ方が出来るのがいいですね。



Q.今までのイメージから一新した「dance in the rain」はどの様な経緯で開発されたのでしょうか?

緊急事態宣言が発令された時、発売予定だったお酒があったのですが、その様な状況下で「通常通りの出荷が見込めないのでは」「今までやってこなかった事をしてお客さんに楽しんでもらえたら」と急ピッチで方向性を切り替えて誕生したお酒です。

造り手にとっては大変手間のかかる「直汲み製法」を採用しているのですが、そのおかげでフレッシュで自然な発泡感を最大限閉じ込める事が出来ています。

dance in the rain =「今を、楽しむ」

イギリスの作家Vivian Greene 氏の名言を酒銘としていて「閉塞的な世の中だからこそ、今を楽しんで少しでも明るい気持ちになってもらえたら」という想いが込められています。




Q.これからはどのような日本酒が呑まれそうだなというイメージはありますか?

どんどん個々人の好みが細分化されていくので、「こういうお酒が呑まれるだろう」というよりは、日本酒に対するネガティブイメージを無くしていきたいです。日本酒造りはいかに職人たちがお米や菌に向き合っているか、どんな物が造られているか、カロリーや糖分が高くても低Gi値であれば太りにくいなど、情報発信をしっかりしていきたいです。



Q.最後に今後に向けて、豊島屋グループとしての想いを聞かせて下さい

伝統を守りつつ常に新たな試みを取り入れる姿勢は、豊島屋の行動指針でもあります。新しいことにどんどんチャレンジして良い意味で驚かれるようにしていきたいです。

また、みりんに関しては唯一東京で造っている会社なので火を絶やさない様にしたいです。




行動指針である「不易流行」の言葉通り、本来のあるべき姿を求めながらも新しいスタイルを発信していく豊島屋グループ。「三人寄れば文殊の知恵」のごとく、それぞれの得意分野を持つ3社が強みを活かして相互協力し、今後更にどんな展開を見せていくのか楽しみです。東京・神田の『豊島屋Rita-Shop』では無料試飲が可能なのでぜひ訪れてみてください。



【基本情報】

有限会社神田豊島屋

URL https://www.toshimayabuilding.com/


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