• ohkuni2

地元柏原が誇るワイナリーとなるために





西日本で現存する最古のワイナリーとして、明治初期から葡萄栽培を始め黄金期を築き、日本酒の醸造技術を用いてワイン醸造を始めた「カタシモワイナリー」。約10年前に販売開始した「たこシャン」は、たこやきのために作られたスパークリングワインとして、関西では居酒屋でも気軽に出てくるロングセラー商品です。


2001年からはジャパニーズグラッパの製造に着手し、たこ焼きに合うスパークリングワイン「たこシャン」等、日本人の味覚に合ったオリジナリティ溢れる商品開発に取り組むなど、今後の活動にも注目が集まっています。

現在自社農園では除草剤を使用せず、減農薬、可能な限り有機肥料を使用した栽培を行う等、時代の流れにあった取り組みをしています。


五代目の高井麻記子さんは、以前IT企業で働き、家業を継ぐつもりはなかったと言います。

出産後体調を崩したことをきっかけに、『地に足のついたものづくり』に魅力を感じ家業を継ぐことを決めました。

始めの頃は行政への報告資料作りなど仕事をしながら、醸造作業は手探りで過去の帳面を頼りに始めました。エラーが発生したら修正システムを書いて対応して…というそれまでの仕事とは全く異なり、自然の影響がたくさんあるので、これが正解と言うのが無いことが、逆にやりがいを感じたと言います。

でも成功確率が高いことばかりしていてもより良いものは産まれてこない、挑戦も必要だと言いいます。


変化を恐れない姿勢は代々カタシモワイナリーで引き継がれています。

『守るべきものは守っていく必要があるが、変えても良い部分は変えていく。作ってる側が飽きるものは買う人も飽きるはず』と語ります。一見当たり前の様に聞こえますが、伝統的な家業に携わる中でそこに気付ける人、実際に取り組める人は少ないのでは無いかと思います。


何事も楽しんでいる様にお話される高井さん。

トラブルが生じてもIT時代に培った思考を活かして対処。トラブルを克服した時の快感も一入で、予想より美味しく出来ると踊ってしまうくらい嬉しいそうです。


「たこシャン」は地元柏原で主力の生産高を誇るデラウェアを使ったワインを造るべく、先代の時に開発が始まりました。現在では、ぶどうの産地といえば山梨や長野、岡山などが頭に浮かびます。大阪のぶどう栽培は約100年前大阪の一大産業で、堅下本ぶどう(甲州ぶどう)を中心に栽培面積全国1位を誇ったこともあったそうです。

そのデラウェアを使い、まずは地元で親しめる味にすることが、その時減少傾向にあったぶどう畑を守ることに繋がると考えられました。


当初はフレンチ等の高級洋食店での取り扱いが多かったのですが、高井さんの代になってからも何度も改良を重ね、『たこ焼き・割烹』に合う味にしました。

大阪の味の根底である割烹に合う様にと言うのは最後まで目指し、ワイン好きも満足して、ワインを飲まない人にも愛される味になりました。ぶどうそのものに強い風味があり、たこ焼きのパンチに負けることなくソースの甘味とマッチして、ラベルに描かれた爪楊枝のごとく次々とたこ焼きを口に運びたくなります。


『今の人達が美味しいと思わないと伝統は続かない』と若い人にも飲みやすい・気持ちが明るくなるようなワインを目指していると言います。

だからといって個性が無いわけではなく、土地の味わいがあるワイン造りを大事に、『海外に進出するのも、地元柏原の人が誇らしく思ってくれるようなワイン造りをしたいから。「大阪には美味しいワイン有るよね」と言ってもらえる様なワイナリーになりたい』とほがらかにお話する高井さんの笑顔から、土地の旨味が染み込んだワインが何倍も輝いて感じられます。

カタシモワイナリー

所在地 大阪府柏原市太平寺2-9-14

URL https://www.kashiwara-wine.com/

2回の閲覧0件のコメント